ユース監督・永井秀樹は「寝ている間も
夢の中で指導のことを考えた」 (4ページ目)
ユース監督を引き受けるきっかけとなった
風間八宏監督に言われた「言葉」
――実際に経験してみて、監督にとって必要なものは何だと思いますか。
「何年か前、尊敬する指導者のひとりでもある風間八宏さん(名古屋グランパス監督)が、あるテレビ番組で『監督にとって一番大切なことは何ですか?』と聞かれて、『体力』と答えていた。そのときは、『風間さん、何ふざけているのかな』と思ったけど、今は『体力がないと指導者はできない』ということがよくわかる。
あとはやっぱり、一番大切なのはブレることのない本物の情熱かと、改めて思う。新庄さん(新庄道臣氏/小学校時代の恩師。九州では育成年代の名将として知られる)、吉武さん(吉武博文氏/明野中時代の恩師。元U-17日本代表監督。現在は今治FC監督)、小嶺さん(小嶺忠敏氏/国見高時代の恩師。現在は長崎総科大附高の総監督)、大澤さん(大澤英雄氏/大学時代の恩師。現在は国士舘大理事長)と、それぞれスタイルは違えども、自分の恩師は皆、嘘偽りのない本物の情熱を持っていた」
――引退を決めた当初、指導者というのはあくまでも選択肢のひとつで、積極的にやろうとは思っていなかったと記憶していますが。
「今でもそれは思うし、心の奥底では自問自答している。『ヴェルディを再建したい』という目標と同時に、『日本のサッカーをもっとよくしたい』という夢もある。微力かもしれないけど、『どうすれば日本のサッカーをよくできるのか』ということを考えると、指導者という道が本当にいいのか、指導者とは違ったアプローチのほうがいいのか、という思いは今もある。でも、引き受けた以上、『この程度でいい』とはならないし、当然日本一の指導者を目指して全力を尽くす」
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