世界5位でも強いとは言えない。
興梠、柏木らが振り返る今季の浦和レッズ (2ページ目)
時計の針を巻き戻せば、今季の浦和は出足よくスタートを切っていた。開幕戦こそ落としたものの、その後の7試合を6勝1分けとし、第8節終了時には2位に勝ち点4差をつけ、独走態勢に入り始めた。攻撃のバリエーションは増え、1試合平均3点を叩き出す攻撃力は、J1とACLの二冠獲得も夢ではないと思わせた。
ところが、突如として歯車が狂い出す。
猛威を振るった得点力は影を潜め、相手の堅守速攻にいとも容易(たやす)く屈してしまう。第9節以降の12試合で3勝8敗1分けと急失速。ついには、2012年からチームを率いてきたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、解任される事態にまで発展した。
それを思えば、新たに堀孝史監督が就任し、まずは攻撃時のリスクを負わず、失点を減らすことに注力した結果、10年ぶりのACL優勝までたどり着いたことは、よく持ち直したとも言える。
しかし、MF遠藤航は「それを成果と言ってしまうと、ミシャ(ペトロヴィッチ監督)に申し訳ないという気持ちが少なからずある」と言い、こう続ける。
「ミシャが作り上げた土台があり、そこに堀さんがテコ入れをすることで勝負強さもついて、ACLで優勝できた。でも、(クラブW杯で敗れたアルジャジーラ戦のように)引いた相手に勝てないというのは、今のウィークポイントなのかもしれないし、攻撃のバリエーションを増やすというところには課題がある」
確かに遠藤が言うように、ACLでは優勝できたものの、J1では最後は3連敗を喫するなど7位に終わっている。堀監督就任後も、本当の意味でチームが立て直されたとは言い難い。
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