川崎Fを優勝に導いた小林悠が「あれが転機」という深いインタビュー (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 例えば、10得点10アシストできるような選手になるのかどうか。それで言えば、(今季すでに4得点6アシストなので)順調に数字は残せている。でも、やっぱり『点を取りたい』という自分もいるので、心の中では葛藤しています」

 ストライカーとしての横軸がありながら、キャプテンとしての縦軸ではチームのことを考えている。

「チームに対して『戦っているところを見せたい』というのはあるから、今季はとにかく守備もがんばっているんです。点を取るために、ゴール前に残って『オレに出せ、出せ』って言っているだけになるのは嫌なので。そこはキャプテンとして『オレも走っているから、みんなもやれ』っていうところを示したい。それが、自分の中のキャプテンのイメージなんですよね」

 でも、結局のところ、彼はストライカーなのだ。

「自分の中で、いろいろと"チームのために"というのを考えてやっている感じではありますけど、ゴール前では今までと変わらず、強く要求しますからね。そこは、キャプテンになったからといって遠慮することはない。みんなにも『本当におまえは貪欲だな』って言われますからね(笑)。だから、そんなに変わってないのかもしれない。

 チームのことばかりを考えるよりも、オレがオレがってなったほうがいいのかもしれないですよね。確かにそれくらいの気迫があったほうが、必然的にチームの勝利にも、戦う姿勢にもつながりますからね」

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