J2降格の大宮アルディージャ。
5位からの転落劇に虚脱感だけが漂う (4ページ目)
「これで降格なのか?」。数字上はわかっていても、疑ってみたくなるのだろう。終了直後、スタジアムには形容しがたい沈黙が降りた。
「来季は自分がJ1にチームを上げるつもりで」(大宮・GK加藤順大)
ミックスゾーンでは、選手たちがファンへのお詫びを繰り返し、自らを責めていた。
昨シーズン5位に躍進したチームが、今シーズン降格した理由を語るのは難しい。
家長昭博、泉澤仁という2人の主力の穴を埋められていなかったのはある。それが6連敗スタートにつながり、渋谷洋樹監督は解任へ追い込まれた。14節から率いた伊藤彰監督は4-1-4-1でプレーの仕組みを整え、ロジカルな戦い方で悪い試合はしていない。しかし3勝8分7敗と勝ち切れず、引き分けが多すぎた。そしてクラブは残り3試合で石井監督を招聘するが、機首は下がったままだった。
「5位になって目測を誤った」というのはあるだろう。いくら目標を低めに設定しても、選手は自信を得て、周りはどこかで期待した。しかし、現実的にチームはスケールダウンし、監督が交代するたびに消耗していった。監督交代を我慢し、コンサドーレ札幌のジェイのようなストライカーを手に入れられていたら――。プレーのベースは鍛えられていただけに、勝ち切れる試合は増えていたかもしれない。もっとも「たら、れば」の話だ。
「進退についてはこれから(クラブ側と)話すので、今はできない」
石井監督は会見で言った。決まっているのは、来季、大宮の戦う舞台がJ2になったということだ。
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