J2降格の大宮アルディージャ。
5位からの転落劇に虚脱感だけが漂う (2ページ目)
前節から石井正忠監督が率いることになった大宮は、変則的な4-4-2でスタートしている。左サイドの江坂任は前目でボランチのカウエは後ろ目。マテウスが積極的にサイドに流れた。
「石井監督からは『前でパワーを使い、裏を狙いなさい』と指示されていた。相手にとって怖い選手を意識して。甲府は中央が堅いので、サイドに流れ、そこからクロス攻撃などを狙った」
マテウスはそう語ったが、前半の攻撃は単発に終わっている。ただ、守備でやられたわけではない。
「(主力だった菊地光将、河本裕之は不在も)いつまでも先輩に頼れない。若手が出てくれば、チームとして(競争が)いい方向に向かうわけで。そういう意味では、これまで自分たちが力不足だった」(大宮・DF高山和真)
高山とセンターバックを組んだ山越康平はこの日、秀逸の出来だった。優れた判断と強いフィジカルで、甲府のブラジル人アタッカーをことごとく封じている。
しかし、大宮にとっては勝利だけが"生き残る"条件だった。
「ロースコアでできるだけ時間を過ごす、というのは甲府にとって勝ちパターンのひとつ」(甲府・吉田達磨監督)
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