アルビレックス「らしさ」を失い降格。荒野からの再生に何をすべきか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masashi Hara - JL/Getty Images for DAZN

 新潟は昨季、一昨季と2年連続でJ1残留ギリギリの15位に終わっていた。しかも、昨季の勝ち点はわずかに30。J1が18クラブに固定された2005年以降の残留ライン(15位の勝ち点)としては最低の数字で、例年なら降格していても不思議はなかった。

 にもかかわらず、新潟の反応は鈍かった。

 今季、新たに就任した三浦監督は「堅守からスピーディーな攻撃」を掲げ、シーズンに臨んだ。それ自体は否定されるべきものではないとしても、昨季、新潟を率いた吉田達磨監督がポゼッションサッカーを志向する指揮官だったことを考えると、一貫性の欠如は否めない。

 しかも、三浦監督にしても、後任の呂比須監督にしても、堅守のベースとなるべき「どこでボールを奪うためにどう守るのか」という、基本的なチーム戦術をなかなか確立することができなかった。

 キャプテンのDF大野和成は、「アグレッシブさがアルビらしさだと思うが、それが全然出ていなかった。もどかしさがあった」と言い、こう振り返る。

「監督それぞれに目指すサッカーがある。守ってカウンターというのもあるだろうが、それがうまくできず、チームとして変わるのが遅かった。(キャプテンで)チームをまとめる立場として、自分の力不足もあるが、戦い方が定まらず、まとめるのは難しかった」

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