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あの痛快なサッカーはどこへ? 
レノファ山口に見る小クラブ転落の構図 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Masahiro Ura/Getty Images for DAZN

 振り返ってみると今季の山口は、大幅な選手の入れ替えによる戦力ダウンを不安視する声が少なくないなか、開幕当初から苦しい戦いを強いられ続けた。

 一昨季J3を制した山口は昨季、J2昇格1年目ながら、一時は3位まで順位を上げるなど大躍進。最終順位は12位にとどまったが、"ルーキーイヤー"としては合格点と言っていい成績を残した。

 ただ、躍進によって集めた注目の代償も大きかった。古今東西、中小クラブの常とはいえ、昨季の主力選手が大量流出。とりわけ、FW中山仁斗(→モンテディオ山形)、MF島屋八徳(→徳島ヴォルティス)、MF福満隆貴(→セレッソ大阪)、MF庄司悦大(→FC岐阜)、DF小池龍太(→柏レイソル)ら、山口の売りである攻撃において重要な役割を果たしてきた選手たちを、まとめて失ったのは痛かった。

 そして、シーズン序盤から苦戦が続くと、勝ち点10の20位と低迷していた第15節終了時点で、上野展裕監督を解任。暫定監督として猿澤真治アカデミーダイレクターが指揮を執った2試合を挟み、マジョール監督が就任するに至った。だが、それでも成績が大きく改善されることはなく、現監督就任後の23試合で8勝15敗の勝ち点24と、勝ち点のうえでは序盤戦よりも上向いたが、順位のうえでは前監督解任時を下回る21位に後退する結果となっている。

 2013年には地域リーグ(中国リーグ)を戦っていたに過ぎないクラブが、2014年にJFLへ新規加入すると、1年目にして4位となり、J3昇格。2015年には圧倒的な得点力を武器にJ3で優勝を果たした山口は、わずか3年でJ2まで駆け上がった。

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