呪われているのか、フロンターレ。
はかなく夢は散り、8度目の準優勝

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ここまでくると、何かに呪われてしまっているのかもしれない。川崎フロンターレのことである。

 11月4日に埼玉スタジアム2002で行なわれたルヴァンカップの決勝戦。川崎Fはセレッソ大阪に0−2と敗れ、またしても目前でタイトルを逃した。

またもシルバーメダルを手にすることになった川崎Fの面々またもシルバーメダルを手にすることになった川崎Fの面々 川崎Fはこれまでに2000年、2007年、2009年と同大会のファイナルに挑んだが、いずれも敗戦。「4度目の正直」を記した今回も、結果を出せなかった。ルヴァンカップだけでなく、川崎Fの歴史を紐解けば、リーグ戦では2006年、2008年、2009年と3度、2位となっており、記憶に新しいところでは今年元日の天皇杯決勝で鹿島アントラーズに敗れ、悲願のタイトル奪取は叶わなかった。

 国内三大タイトルで実に8度の準優勝。思わず「2位じゃダメなんでしょうか」と叫びたくなるほど、タイトルから見放され続けている。「シルバーコレクター」というありがたくない呼び名は、ますますこのクラブにふさわしいものとなってしまった。

 試合後、取材エリアに現れたMF中村憲剛は「悔しいです」と唇を噛みしめた。生え抜きの37歳のベテランにとっては、加入前の2000年を除き、7度目の準優勝である。その胸中は「なぜ勝てないのか」という、やるせない想いでいっぱいだろう。

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