31歳で突然変異か。フットサルFリーグ9年ぶりの日本出身得点王へ (4ページ目)

  • 河合拓●取材・文・撮影 text & photo by Kawai Taku

 監督が要因のひとつとして挙げたセットプレーについては、本来はボレーのうまい渡邉を中心に戦術を組み立てたくても、シーズン途中でいなくなることがわかっていたので、昨季まではそれができなかった。しかし、今季はシーズン開幕前から一度もチームを離れていないため、渡邉を軸としたセットプレーができるようになり、チームメイトとの連係面も向上したという。また、同じピヴォのFP小山剛史の退団やFP三井健の負傷によって出場時間が増えたことも、ゴールラッシュの一助となっているようだ。

 では、渡邉自身はどのように感じているのか。キーワードは「意識」だった。

「(得点の)バリエーションが増えたことは間違いないと思います。今シーズンは反転シュートから5~6点は獲っていますからね。でも、特別な練習をしたというより、意識の問題だと思います。

 ピヴォでボールを受けたとき、周りを生かすプレーのほうが好きだし、得意でした。(昨季までは)自分にボールが入るなと思ってトラップしたとき、いい落としをして点を獲らせることを最初に考えていたんです。そうすると反転シュートを打つときに2~3秒遅れてしまうので、その間に相手に守備を整えられてしまっていた。でも、今年はボールをもらった瞬間に『反転してやろう』『自分で行こう』と瞬間的に思うようになったんです」

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