3位に浮上のグランパス。新外国人は「大当たり」も、まだ残る危うさ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 ガブリエル・シャビエルの基本ポジションは、左の佐藤、中央のFWシモビッチと組む、3トップの右FW。だが、ただ右サイドに開いて攻撃の起点を作るばかりでなく、ときに2トップ然としたポジションを取る佐藤とシモビッチの下に入り込み、トップ下としての役割を果たすなど、神出鬼没の動きを見せる。優れた技術ばかりでなく、相手の動きに応じた巧みなポジショニングやプレーの判断は際立っている。

 まだ出場4試合目ながら、すでにチームの中心的存在であることは、試合を見れば明らかだ。特にチーム得点王のシモビッチとのコンビネーションは良好で、効果的なカウンター攻撃をふたりで完結させることもできる。松本戦でも自身で決めた3点目はもちろんのこと、2、4点目のゴールも彼のお膳立てによるものだ。早くも「まさに司令塔という感じ」(佐藤)になっている。

 Jリーグにおけるシーズン途中の外国人選手の補強というと、何を調査して連れてきたのか疑いたくなるほど、まったく役に立たないまま終わってしまう"外れ"が少なくないが、ガブリエル・シャビエルはかなりの"大当たり"。少々気の早い話をすれば、シーズンオフでの獲得に向けて、すでにリストアップしているJ1クラブもあるのではないだろうか。

 3連勝の陰に新助っ人あり。名古屋はこれからの逆襲に向けて、強力な戦力を手にしたことは間違いない。

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