エスパルスの未来が変わった。若手のゴールで首位セレッソに逆転勝ち (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 松原と金子は、指揮官が不満をもらした前半から、果敢な仕掛けが目立っていた。初動のタイミングだけを計ったら、あとはスピードで突き進む松原に対し、常に相手の動きを見て、巧みに緩急を使い分けて進む金子。タイプはまったく異なるものの、ふたりのドリブル突破は、清水の攻撃にゴール方向への推進力を与えていた。何かが起きそうな雰囲気は、左サイドでプンプンと漂っていた。

 迎えた49分、左サイドでパスを受けた松原が、ドリブルで強引にペナルティーエリア内に割って入ったところを倒され、PKを得る。これを51分、金子がゴール左スミに落ち着いて決め、1-2。反撃の狼煙(のろし)は上がった。

 左サイドでチャンスを作り出すふたりに続いたのは、21歳のFW北川航也である。

2ゴールを挙げて、チームの勝利に貢献した北川航也(右)2ゴールを挙げて、チームの勝利に貢献した北川航也(右) 前半の北川は、敵陣でせっかく前を向ける状況でボールを受けても、消極的なパスの選択が目立った。だが、松原と金子によってもたらされた1点目に触発されるように、後半はストライカーらしいゴールへの執着を見せる。

 60分、右サイドからのスローインをペナルティーエリア内で受けると、右足アウトサイドのファーストタッチで時計回りに右ターン。マークする相手DFを鮮やかに振り切り、左足で同点ゴールを叩き込んだ。

 そして試合は、73分にクライマックスを迎える。

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