高校野球だけじゃない。東海大相模サッカー部が初のインターハイに挑む (2ページ目)

  • Text & photo by Sportiva

 整った環境で練習ができることが認知され、有馬監督の就任時に約80人だった部員は年々増加。有望選手の入部も増え、徐々にチーム力を上げていったが、有馬監督は今年のチームについて「スピードと勝負強さが例年とは違う」と評価する。

「単純に足が速い選手も多いんですが、それよりもプレーの判断が速いことが強みですね。うちが実践しているのはポゼッションサッカー。なるべく少ないタッチでボールをつなぐことを徹底しているので、判断が遅れるとチャンスを逃したり、逆にピンチを招いたりすることにつながりますから。

 この考えはずっと変わらないんですが、今のチームは加えて、接戦をモノにできる力もあります。格上のチームにも臆さずに立ち向かい、ここぞという時に結果を出せる。K1リーグで厳しい戦いを経験しているので、同点やビハインドの場面でも、選手たちが焦ることはありません」(有馬監督)

 実際に、県予選3回戦の弥栄との試合は、後半アディショナルタイムで2-2の同点に追いつき、延長に入ってからの2ゴールで突き放した。同じくインターハイ出場を決めていた日大藤沢との決勝でも、やはりアディショナルタイムの劇的な決勝弾で勝利している。

 接戦に強いからといって、守備重視の戦略を採っているわけではない。有馬監督の長男で、中盤のレギュラーとして活躍する有馬和希(2年)が「父、いや、監督からは『攻撃では、リスク覚悟で得点を狙いにいけ』と常に言われています」と明かす通り、インターハイ出場がかかった湘南工大附との準決勝では、5点を奪って大勝した。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る