高校野球だけじゃない。東海大相模サッカー部が初のインターハイに挑む (3ページ目)
その試合では、東海大相模の「層の厚さ」が活きた。2-0とリードした後半途中からピッチに送られた3年生の3選手が、疲れの見える湘南工大附を翻弄。多くのチャンスを演出しただけでなく、それぞれ1ゴールずつを決めて勝利を決定づけた。
「3人ともスピードがあり、得点能力に長けた選手。スタメンで出ても十分にやってくれますが、途中出場のほうがプレッシャーを与えることができます。言うなれば、"適材適所"ですかね。疲労が溜まっているところでチームの圧力が増すわけですから、相手にとっては嫌だと思いますよ」(有馬監督)
主将としてチームを引っ張る水越 180人に及ぶ部員たちを指導するのは簡単ではないが、3人のコーチと共に練習を見ることでカバーしている。選手ひとりひとりの調子や特長を見極め、情報を密に交換することでトップチームに起用する選手を選んでいく。
また、選手の能力に応じたコンバートも積極的に行なう。主将で守備の要となっているCBの水越陽也は、もともとボランチやトップ下でプレーしていた。しかし、今の2年生に中盤で力を発揮する選手が多いのに加え、有馬監督の「水越は空中戦が強く、ミスが少ない。フィードも正確で最終ラインからビルドアップできる」という狙いから、ポジションを変更。当の水越は、そのコンバートをすんなり受け入れられたという。
「コンバートの際に監督に何かを言われたわけではないですが、やるからには結果を出そうと思いました。もうひとりのCBも元はFWの選手ですし、チーム力を上げるための変更ですからね。自分が希望とは違うポジションに移っても不満を言う選手はいません。任されたところで実力を発揮できる選手ばかりです」(水越)
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