元MVPレアンドロ・ドミンゲス獲得で、横浜FCのJ1昇格は叶うのか (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Etsuo Hara - JL/Getty Images

「確かにイバにボールが入ったが、(流れとして失点を喫するような)思い当たる節はない」(岐阜・大木武監督)

 横浜FCは相手の決定力の低さに助けられたと言えるだろう。GK高丘が前半の2度の決定機を封じて潮目を変え、一発で勝ちを拾った。それはひとつのパターンとなり得るが、それに依存するようなら、再び勝てない連鎖に取り込まれるだろう。

 その点、もう1人の助っ人が起爆剤になれるかもしれない――。次節、V・ファーレン長崎戦からはブラジル人MFレアンドロ・ドミンゲスが新たに戦列に加わるのだ。

「練習だけでモノが違うのが分かる。サイドチェンジのキックはやばいし、ダイレクトパスを入れられるから、ぽんぽんとボールがつながる。コンディションもいい」(南雄太)

 横浜FCの選手たちは、すでに練習で能力の高さを実感している。チームとして、レアンドロが生きるトップ下のシステムを使う可能性もあるという。ブラジルの3部にいたというのは、顔面をケガした後、恩師の指導者のいるチームに一時的に在籍していただけで、その実力は衰えていない。2011年のJリーグMVP(当時は柏レイソル)が入ることで、積極的にボールを握り、運べるようになったら、横浜FCの勝機は広がる。

 しかし、逆説的になるが、外国人選手に依存してしまうと、それ一辺倒になって状況は厳しくなる。外国人選手との切磋琢磨で日本人選手が地力をつけられるか。それが横浜の浮沈のカギを握る。

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