勝てる試合も落としたアルビレックスの、ネガティブ思考という「病」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 アルビレックス新潟にとっては、千載一遇のチャンスだった。

 昨季年間勝ち点トップの浦和レッズを相手に、しかもアウェーゲームで、勝ち点1どころか、勝ち点3を手にする可能性がかなり高まっていたのだ。

 にもかかわらず、終わってみれば勝ち点1すら持ち帰ることができなかった。もったいない試合。そう悔やまざるをえない結果である。

レッズ相手に先制したアルビレックスだったが......レッズ相手に先制したアルビレックスだったが...... J1第18節、最下位に沈む新潟は、敵地・埼玉スタジアムに乗り込み、浦和と対戦した。普通に考えれば、新潟の劣勢が予想される試合である。まして新潟は、前節終了時点でリーグ戦では5連敗、ルヴァンカップも含めれば7連敗中。最下位脱出、あるいは降格圏脱出への光明を見出しにくい状況にあったのだから、なおさらだ。

 しかし、新潟にとっては幸運にも、と言うべきか、対する浦和もかなりの危機的状況にあった。

 浦和は直近のリーグ戦5試合で1勝4敗と急失速。その間の総失点は、14点にもおよんでいる。順位も8位までズルズルと降下し、優勝を狙うチームとしては、まさに瀕死の状態に陥っていた。新潟側から見れば、浦和と対戦するには絶好のタイミングだったに違いない。

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