Jリーグからのベルギー派遣コーチに聞く「欧州の育成は何が違うか」 (5ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko

――短期間のコーチ研修の類(たぐい)だと、そこまでの関わりはできないですね?

「僕も以前、欧州で2週間のコーチ研修を受けた経験があるんです。でも、もちろんそんな短期で行ったって指導はさせてもらえないし、質問をしても核心をついた答えは得られなかったです。同時に日本から選手も研修に連れて行ったので、『彼のプレーはどうしたらいいか?』と聞けば、多少は言ってくれるけど、距離をすごく感じるというか。選手も練習試合しか出られないし、それもフルでは使ってもらえないので、いろいろ難しさがありました。もちろん、練習を見ることができたり、特徴的な育成システムを見ると驚きはあるんですが」

――アンデルレヒトには特徴的な育成システムなどはありますか?

「U-12までは、コーチが6週間ごとにシャッフルするんですよ。U-10、U-11、U-12と3チームがあるところにコーチが6~7人。1チーム2人ずついるとして、普通だったらその2人に監督とアシスタントコーチの組み合わせでワンシーズンを送りますよね。でもここでは、1年を6ブロックに分けて、6週間ごとにコーチの2人が全てシャッフルして変わります。だから6週前まではU-10のコーチだった人が今度はU-12のコーチになったりする。次のブロックでは違う人と違う立場で組んだりするんです。

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