気がつけば11位の神戸。ポドルスキを「宝の持ち腐れ」にするなかれ (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 しかし第7節から3連敗を喫し、首位の座を明け渡すと、そのまま流れを失った。加えてケガ人の多さが悪い状況に拍車をかける。5月にはMF藤田直之、FW大槻周平が戦線を離脱し、6月に入るとDF橋本和、DF高橋峻希、DF岩波拓也、MF高橋秀人と守備陣に故障者が続出。豊富に見えた陣容も、まともにメンバーを組むことさえままならない状況に陥った。

 その苦しい台所事情を表すかのように、第16節の横浜F・マリノス戦のスタメンには、今季10試合以下の出場にとどまる選手たちが6人も名を連ねていた。ただ、ベストメンバーを組めないにもかかわらず、前半の戦いぶりは悪くはなかった。

 横浜FMのワイドな攻撃に苦しみながらも、GKキム・スンギュを中心に粘り強い対応でゴールを割らせない。ロングボールに頼らない攻撃もまずまず機能し、素早いカウンターやバイタルエリアでの連動からゴールに迫るシーンもあった。

 前半終了間際には、巧みな連係から抜け出したFW渡邉千真が決定的なシュートを放つなど、個ではなくチームとして崩そうとする狙いが見えた。

「前半は拮抗したゲームにもっていけた。守備も狙いどおり対応し、カウンターでの攻撃にも展開できた」

 試合後、ネルシーニョ監督が振り返ったように、3連勝中と勢いに乗る横浜FMと互角に渡り合った。

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