気がつけば11位の神戸。ポドルスキを「宝の持ち腐れ」にするなかれ (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 ところが、後半立ち上がりに右サイドを崩されて先制点を許すと、意気消沈してしまう。追いかける展開にもかかわらず、ほとんどチャンスは作れず、中途半端に攻め入っては鋭利なカウンターの餌食に。そして85分、FWウーゴ・ヴィエイラに追加点を許し、万事休す。

「前半はしっかりボールもつなげたし、ブロックを組んで粘り強く戦うことができたんですけど、後半立ち上がりに失点して、そこから思うように攻められなかった。前に急ぎすぎて、受け手と出し手が合わず、そこから自滅していってしまった」

 そう振り返ったのは、キャプテンの渡邉だ。

「(ボールの)取られ方が悪く、カウンターを浴びる機会も多かった。焦らずじっくり攻める必要もあったし、サイドを使ってもっと揺さぶりをかけないといけなかったと思います」

 焦りから単調になってしまった攻撃を反省した。

 ネルシーニョ監督も「最後までやり切れていれば、カウンターを浴びることもなかった」と、攻撃の機能不全を敗因のひとつに挙げる。後半のシュートはわずかに2本と、反発力をまるで示せず、敗戦を黙って受け入れるような展開だった。

 不調に陥った原因は、やはりケガ人続出の事態を無視できないだろう。それでも渡邉は、それは言い訳に過ぎないと主張する。

「ケガ人は毎年多いですからね。ピッチに立っている選手がもっとやらないといけないですし、チームみんなでカバーしないといけない」

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