F・マリノスが甲府に辛勝も、齋藤学は「残留争いしているみたい」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara - JL/Getty Images for DAZN

 キャプテンのMF齋藤学も、「(内容がよくない原因は)気持ちの部分。僕がもっと引っ張れればよかったが......」と漏らし、勝利のあとにもかかわらず表情を曇らせ、反省の弁ばかりを口にした。

「勝ちはしたが、内容的にこんなんじゃあ、上にいけない。前半の戦いを90分間続けられれば、2点目、3点目と取れたと思うが、負けが続いて、みんな自信をなくしている。負けたくないという気持ちが強く、(つながずに大きく)蹴ることが多くなって、間延びしてしまった」

 そして、チームの現状を「残留争いをしているみたい(な戦い方)になっている」と辛辣にたとえ、わずか数分間の取材対応のなかで「こんなんじゃあ、上にいけない」という言葉を、4回も5回も繰り返した。

 甲府にセカンドボールを連続して拾われ、自陣に押し込まれる時間も少なくなかったF・マリノスに、(とりわけ後半は)内容的な光明を見出すのは難しい。

 しかし、だからこそと言うべきか、連敗を3で止め、久しぶりに勝ち点3を手にした意味は大きいと言える。

「勝ちを拾うことで次につながる。今は強くなるために必要な段階を踏んでいるところだと思う」とは、キャプテンの弁。敗戦が続いたことで腰が引け、セーフティーなプレーばかりを選択するようになっていた選手たちも、これで少なからずプレッシャーから解放されるだろう。

 指揮官は「連敗が続いていたのだから、プレッシャーを感じるのは普通のこと」と、選手の心理状態をおもんばかり、こう続ける。

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