首位ヴィッセル神戸の強さはホンモノか、それとも相手が下位だからか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN

 もちろん、ここまですべてが順調に進んできたわけではない。それどころか、開幕戦にして昨季J1得点王のエースストライカー、FWレアンドロが重傷(左ヒザ前十字靭帯損傷で全治約6カ月)を負うアクシンデントに見舞われた。昨季のチーム状況であれば、致命的なダメージである。

 しかし、エース不在の間も粘り強く勝ち星を重ねているうち、若手が台頭。自前の育成組織(神戸U-18)出身の19歳、MF中坂勇哉や、同じく神戸U-18出身(関西学院大を経て昨季加入)の23歳、FW小林成豪が先発メンバーの座をつかむまでになった。

ヴィッセルの中坂勇哉(右)。2試合連続ゴールと活躍。ヴィッセルの中坂勇哉(右)。2試合連続ゴールと活躍。 なかでも、中坂は浦和戦、大宮戦と2試合連続ゴールと大活躍。本人は「まだまだ」と謙遜するが、勝ち続けるなかで、確実にチーム力は底上げされている。こうした好循環こそが、勢いに乗るチームの証(あかし)だ。

 結果的に、今季移籍加入したFW田中順也(柏レイソル→)、FW大槻周平(湘南ベルマーレ→)、MF高橋秀人(FC東京→)らが控えに回ることにはなった。一見すると、移籍による補強策があまり意味をなさなかったようにも見える。だが、ベテランのDF北本久仁衛なども含め、彼らのような実績や経験のある選手がベンチにいることで、試合展開に応じて戦い方の幅が広がるのは間違いない。

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