首位ヴィッセル神戸の強さはホンモノか、それとも相手が下位だからか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN

 ここまでの5勝を見ても、うち4つがシャットアウト勝ち。1試合1、2点しか取れなくとも、その貴重な得点を確実に守り切って勝利に結びつけている。

「昨年は勝ったとしても、失点することが多く、無失点の試合が少なかった。ペドロ(・ジュニオール→鹿島アントラーズ)やレアンドロの力で勝った試合が多かった」

 センターバックを務めるDF岩波拓也がそう語るように、昨季の神戸が強力ブラジル人FWに支えられていたことは否めない。ところが、組織的な守備が整備された今季は一転、「無失点が続いている自信は大きい。先制したら守り切る自信がある」と岩波。「監督がミーティングで話すことを、選手が自信を持って100%取り組めている」という。

 選手たちの変化には、百戦錬磨の指揮官も手応えを感じている。

「試合開始から20~25分はうちのペース。前からのプレスで相手の動揺を誘うことができた。だが、相手が落ち着くと、徐々に前線から追い込めなくなった。そこからは、(守備ブロックを)コンパクトにして、プレスをかけながらスペースを埋めるという戦い方ができた」

 大宮戦に勝利したあと、ネルシーニョ監督は選手たちが見せた臨機応変な戦術変更について、このように語り、納得の様子をうかがわせた。

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