森重、高萩...日本代表に最多選出。ハリルのサッカーを体現するFC東京

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 なぜ、FC東京から多くの日本代表選手が選ばれているのか?

 今回、GK林彰洋、DF森重真人、MF高萩洋次郎の3人が25名のメンバーに選ばれている。昨季中位のチームで、今シーズンも8位(メンバー発表時点)であるにもかかわらず、Jリーグ最多。さらに、丸山祐市、永井謙佑もバックアップメンバーに登録されている。まるで「東京枠」でもあるかのような錯覚を受けてしまう。

W杯予選の日本代表に招集されたFC東京のMF高萩洋次郎W杯予選の日本代表に招集されたFC東京のMF高萩洋次郎 しかしFC東京の試合を検証すると、代表選手が多いのも納得するだろう。
 
 3月18日、味の素スタジアム。J1リーグ第4節、FC東京は川崎フロンターレを迎えている。

 この日、序盤からボールを握って動かしたのは、川崎のほうだった。ボールプレーヤーが多く、集団としての連動練度も高い。軽やかに「プレーの渦」を創り出す。

 センターバックの奈良竜樹は、迅速に球足の速いボールを前につけ、司令塔の大島僚太はくるくると回転しながらタイミングよくボールを弾き出し、適切なスピードのボールを入れる。そこに中村憲剛、小林悠ら攻撃陣が調和し、登里亨平は縦のスピードを使い、スペースに積極的に侵入。その攻撃は多彩だった。

 しかし決定機を決めきれなかったことで、川崎は攻め疲れ(ACLの影響も否定できない)を見せる。

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