ベルマーレとフジタ。暗黒時代を
生き延びたからできた「幸せな再会」 (7ページ目)
日本経済も堅調だった。オリンピック景気があり、いざなぎ景気が続き、そんな高度成長を背景に建設業のフジタも業績を伸ばし、不動産部門を独立。大規模リゾート開発に乗り出したことが、藤和不動産サッカー部を誕生させることになった。
さらに国内のみならず、海外にも進出したフジタは「南米ならフジタ」と称されるほどの成功を収め、実績を積み重ねていく。そんな事業展開は、セルジオ越後をはじめとするブラジル人選手の獲得にも生かされたはずだ。1990年代の洪明甫(ホン・ミョンボ)の獲得の際にもフジタの助力があったと聞く。
やがて訪れた変革の時代。プラザ合意、円高、日本サッカーのプロ化検討、バブル、冷戦の終結と昭和の終わり、バブルの崩壊、そしてJリーグ創設、ゼネコン不況......。激変する世界情勢と経済環境の中、建設業にもスポーツ界にも吹き荒れたつむじ風。
そんな移ろいゆく時代を、フジタが歩み、ベルマーレが引き継ぎ――。
来年、藤和不動産サッカー部の創部から数えて50周年を迎える。
そんな節目を祝える幸せ。それぞれに胸を張って、互いを讃え合って。
横断幕は2枚用意しておきたい。祝50周年、そして......。
そこにベルマーレのJ1復帰が重なれば――最高の祝勝会になりそうだ。
(おわり)
=敬称略
7 / 7