「アジアの壁」vs「アジアの大砲」。同期監督のJ2九州対決が熱い!

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

「アジアの壁」と「アジアの大砲」。

 往年のサッカーファンにとっては懐かしいフレーズだろう。まだ日本が世界を知らなかった時代。アジアを代表するというニュアンスが含まれたこの愛称は、当時では最大級の賛辞だったに違いない。

かつて「アジアの壁」と称されたアビスパ福岡の井原監督かつて「アジアの壁」と称されたアビスパ福岡の井原監督 そんなアジアを席巻した「壁」と「大砲」が今季、J2の舞台で直接対峙する。もちろん選手ではなく、監督として。井原正巳高木琢也。同い年のライバルが、J1昇格をかけて争うことになる。

 1967年9月18日生まれの井原監督と、1967年11月12日生まれの高木監督。前者はアビスパ福岡、後者はV・ファーレン長崎と、同じ九州に本拠地を置くチームを率いる。共通項は決して少なくなく、因縁の対決とあおっても大げさではないだろう。

 指導者としての実績は高木監督が勝る。2000年に引退し、大学のチームなどを指導したのち、2006年に横浜FCのアシスタントコーチに就任。しかし、開幕直後に監督が解任されると、急きょ後任に抜擢された。

 突然の指揮官就任にもかかわらずその年にJ2優勝を成し遂げ、クラブを初のJ1へと導く。J1に臨んだ翌年は結果を出せずシーズン途中に解任されたものの、その後に東京ヴェルディやロアッソ熊本を率い、2013年より地元・長崎の監督に就任。同年と2015年には6位に躍進し、昇格プレーオフ進出を果たした。

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