「選手のほうが楽」という感覚。
だから三浦知良は50歳でも少年なのだ

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Nikkan sports/AFLO

「(年齢は)全員一緒ですね。みんなは30代くらいで引退して、そのあと指導者の道に行ったわけですけど、指導するのは大変なことだと思いますよ。選手を続けていくことも大変かもしれないですけど、監督はもっと大変で、みんなすごいなと思いますね。チームをまとめて苦労が多い監督をやるのは、僕にはできない。逆に、本当に尊敬しますよ」

 おそらく、通常の感覚の持ち主であれば、50歳で現役を続けることのほうが大変だと考えるはずだ。しかし、カズにあるのは「チームを率いることより、自身がプレーしたほうがはるかに楽」だという感覚である。常人では理解できない発想を持ち得ているからこそ、カズは誰もがたどり着けない領域に足を踏み入れることができたのだろう。

 50歳の誕生日を迎える2月26日は、奇しくも今シーズンのJ2開幕日に当たる。

 驚くべきことに昨シーズンは、直近の5シーズンのなかでは最多となる20試合に出場。ふたつのゴールを記録し、今なお進化していることを証明して見せた。だからこそ、50歳となる今シーズンのカズに対しても、誰もが自然に期待を寄せてしまう。

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