清水ジュニアユースの「3冠達成」。
強さの秘訣は日常のあれやこれ? (2ページ目)
「(クラブ・ブルージュU-15に)勝ったことで満足してはいけない。彼らが上のカテゴリーに行ってフィジカルトレーニングを始めたら、清水の選手を上回ってしまうのは目に見えている。しかも、クラブ・ブルージュには毎年いい選手がどんどん入ってくる」
コーチングスタッフと選手たちは、その試合で自分たちの課題を認識し直したという。
オランダ遠征に帯同した齋藤佳久トレーナーは、「欧米人と比べると日本人の姿勢が悪い」ことが気になっていた。そのため、夕食後に選手たちに対して行なう講義では、「しっかり背筋を伸ばして立つこと、歩くこと、座ることは、そのこと自体が体幹を使っており、トレーニングをしていることと同じなんだよ」と熱っぽく語ったという。
また、早朝の散歩で広い駐車場を見つけると、正しい姿勢で歩くエクササイズもそこで行なった。こうして清水ジュニアユースの「フィジカル強化」は、日常のなかの姿勢矯正からスタートする。
清水の町は、かつては日本のブラジルと言われたぐらい、「サッカーどころ」として知られていた。清水に入団してくる選手たちも、運動万能のスポーツエリートが多かった。しかし近年の傾向として、齋藤は思わぬことを口にする。
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