前橋育英、3連続無失点。光る「2年生4バック」のパフォーマンス

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 加藤正昭●撮影 photo by Kato Masaaki

 全国高校サッカー選手権で、前橋育英(群馬県)が3年連続となるベスト8進出を決めた。

 初戦で明徳義塾(高知県)に3−0と快勝を収めると、年が明けた1月2日の2回戦では、優勝候補に挙げられていた市立船橋(千葉県)を0−0からPK戦の末に撃破。遠野(岩手県)と対戦した3回戦は、開始2分に幸先よく先制しながら追加点を奪えないでいると、後半に押し込まれる苦しい展開に。それでも身体を張った守備と、相手のミスにも助けられ、1−0で何とか逃げ切った。

CB角田涼太朗(3番)の決勝ゴールで前橋育英はベスト8進出CB角田涼太朗(3番)の決勝ゴールで前橋育英はベスト8進出「追加点が取れなかったのが苦しかったですね。出し手と受け手の関係とかクロスの精度とか、そういう部分をもう一度確認しないと。後半は足が止まってしまった。昨日(市立船橋戦)、あれだけやり切きれたのにね。やっぱり高校生は難しい」

 そう振り返ったのは、前橋育英の山田耕介監督。同校を率いて33年、多くのJリーガーを育ててきた名将であっても、いまだ高校生を率いる困難さに直面している。

 前半は、前橋育英のほとんど一方的な展開だった。立ち上がりの先制点で勢いに乗ると、その後も縦にシンプルなサッカーで遠野を圧倒。決定力を欠いたものの、相手に1本もシュートを打たせない、隙のない戦いぶりだった。

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