ジュビロ名波監督が語る理想の攻撃「パス600本、ゴールまで16秒」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●構成 text by Asada Masaki
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 ところが、J1はJ2よりさらに高いレベルにあるので、そこまで詰めていってもやられてしまう。だから、『(アプローチの距離を)あと20、30cm詰めよう』と、改めて言ってきました。わかりやすく言えば、靴ひとつ分。それができれば、足にボールがかするかもしれないし、相手が一度切り返してくれるかもしれない。選手たちには、"あと靴ひとつ分"にこだわってほしいと思っています」

――その"靴ひとつ分"が、J1とJ2の違いということですか。

「だと思います。自分がいつも言っているのは、クロスを上げられてヘディングシュートを決められるのは、中(ゴール前で守る選手)の責任じゃない。クロスを上げられたほうの責任。だからもう一歩寄せろ、と。ゴール前のDFが準備する時間を作るためにも、あと靴ひとつ分だね。ここはちょっとこだわりたい。

 あとは、今言ったアプローチもそうだけれど、1対1の駆け引きとボディーコンタクト。相手にドリブルをされ、守備側のうちの選手が体を当てたときにバランスを崩して、そのまま抜かれてしまうようなことが多かったので、そこで弾かれない体作りと、寄せ方を身につける必要がありますね」

――逆に、ここはやり切れたな、と思える部分はありますか。

「明確な課題をずっと示し続けてきたことで、選手の意識が多少なりとも上がって、改善しなければいけないことが浸透した。その点は、やり切れたって言っていいのではないかと思います」

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