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【恩田社長の600日】無償の愛で
チームに 尽くすサポーターは「ぎふの誇り」   (3ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi


 一見さんから、次の試合にサポーターの顔になっているお客様や、新たな友だちを連れてきてくれた方など、FC岐阜にハマっていく姿も見ることができる場所でした。本来お客様をおもてなしする場所が、いつの間にかこちらがパワーをもらう場所になっていました。

 私がクラブを離れた後も、宮田社長をはじめとしたFC岐阜スタッフによって、お出迎えとお見送りは続けられているようです。これからもクラブとサポーターの触れ合いの場所であってほしいと思います。

 最後にFC岐阜サポーターについて、言われていることについて触れておきます。

 よく「FC岐阜のサポーターは優しすぎる。なんでブーイングしないの? それではチームは強くならないよ」ということを言われます。確かにFC岐阜のサポーターはホームで惨敗しても、選手を拍手で迎えることが多いです。サポーターを見送る私にも、「次頑張りましょう!」と声をかけてくれるのです。私の車椅子姿を見せたら、サポーターは素直に怒れないと思い、見送りを自粛した試合もありました。皮肉にもALSによって、私はブーイングから守られていたのです。情けない話です。

 俺達が共にいる どんな時もお前と
 今ここでみせろ岐阜 誇り胸に闘え

 これは、FC岐阜のチャント(応援歌)のひとつです。チームがどれだけ不甲斐ない試合をしても、次の試合には、サポーターは変わらずこのチャントを歌い続けてくれました。本当に心に沁みる歌声でした。

 なぜサポーターはブーイングをしないのか? サポーターは完全に腹を括ったのです。何があってもチームを信じて、最後まで共にいると。このサポーターの姿勢には本当に助けられました。2015年の戦績では、通常のサッカー界なら私は土下座ものです。しかし、サポーターが断腸の思いでブーイングを呑み込んでくれたおかげで、チームは目の前の試合に集中することができました。

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