J2にハマりっぱなしの千葉と京都。直接対決で昇格の望みに明暗 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

「前に行けということは、ずっと監督から言われていたんですが、これまでは僕たち選手が考えすぎてしまった」

 そう振り返るのは、今季京都に加入したFWエスクデロ競飛王。ボールを大事にしすぎるあまり、思い切ったプレーができず、得点を取れなかったのがこれまでの戦いだった。しかし、この日は奪ったボールに手数をかけずシンプルに縦に入れ、素早い攻撃を実現。ボールポゼッションはおそらく千葉のほうが勝っていたが、「前へ」の意識を保ち続けた京都が、チャンスの数では大きく上回った。

 一方で持ち前の守備も、最後まで危なげなかった。とりわけ際立っていたのは堀米、ダニエル・ロビーニョの両サイドハーフの動きだ。ボールを奪えば一気に前に飛び出し、相手ボールとなれば素早く帰陣。サイドバックとともに相手のサイド攻撃をしっかりとケアし、ボランチとCBを中央のポジションに留まらせた。この真ん中を空けない守備こそが、京都の堅守の肝だろう。ともにゴールを奪ったことも含め、攻守におけるこの両サイドの献身こそが京都の原動力となっていた。

 終わってみれば3−0のスコアで、6試合ぶりに勝利を挙げた京都。この日、7位のFC町田ゼルビアが敗れたことで、勝ち点差は7に広がり、昇格プレーオフに大きく前進した。

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