J2にハマりっぱなしの千葉と京都。直接対決で昇格の望みに明暗 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 好転の要因は、守備の安定に見出せる。第34節を終えて失点30は、リーグ3位の少なさ。開幕前にGK菅野孝憲(前・柏レイソル)らJ1でも経験豊富な実力者を獲得したのに加え、2年目を迎える石丸清隆監督のスタイルも浸透。7敗という数字が示すとおり、「負けない」チームへと生まれ変わったのだ。

 もっとも、「負けない」=「勝利」とは限らない。14引き分けはリーグで3番目の多い数字であり、「勝ち切れない」ところが、今季の京都の悩みの種だった。失点が少ないのに勝てないのは、つまり得点が取れないということ。とりわけ直近の5試合で無得点という貧打が響き、6位の座を確保することさえ危うくなっていた。

 そんななかで迎えた千葉戦は、「5試合得点のないなかで、プレッシャーを感じながら戦ったゲームだった」(石丸監督)のは間違いないだろう。ところが、その重圧は開始早々に消え去ることとなる。キックオフから2分、MF堀米勇輝があっさりと先制ゴールを奪うと、ノーゴールの呪縛から解き放たれた京都は、そこからアグレッシブな戦いを展開。24分に相手DFがもたついた隙を逃さず、FWイ・ヨンジェが追加点を奪い、後半にもFWダニエル・ロビーニョが冷静にPKを沈めて、最近の戦いが嘘のように見事なゴールラッシュを演じてみせた。

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