岡山、クラブ史上初のJ1昇格へ、「今、持っているロープを放さない」 (2ページ目)
しかし試合は、戦力的に優位な"J1経験者"松本のペースで幕をあける。
反町康治監督に率いられた松本はロジカルな布陣を敷き、要所で上回り、試合を支配した。例えば、左サイドには左利きのセンターバック、左利きのウィングバックを配置。Jリーグでは珍しくサイドに左利きを持ってきていることで、幅を広く使い、深さを出し、揺さぶった。相手バックラインをジリジリと下げさせながら、その前のスペースに人が入り、前半から攻守で圧倒した。
一方の岡山は我慢するしかなかった。劣勢の中、トップに入った赤嶺真吾がボールを収め、ときには敵陣にドリブルで持ち込み、どうにか一時的に挽回する。
「赤嶺は1人で時間を作れる。今日も身を挺(てい)してゲームを収めてくれて。そこは信頼してやってもらっている」(長澤監督)
もっとも、後半に入ると両サイドを崩される場面が目立ち、バックラインが撓(たわ)んでしまう。混乱が増し、エリア内のマークまでずれるようになっていった。後半52分にはMFの渡邊一仁がカウンターをストップしようとタックルを仕掛け、2枚目のイエローで退場処分に。1人少ない状況でさらに後手に回る。後半62分だった。左サイドからのクロスをヘディングで落とされ、エリア内で受けた工藤浩平にシュートを叩き込まれた。
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