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レッズが忍ばせた戦略的武器。
ガンバを粉砕した「右の正三角形」

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 苦手とするガンバ大阪に4-0と大勝を収め、浦和レッズが2ndステージ優勝にあと一歩に迫った。川崎フロンターレとの上位対決をモノにし、2位に浮上したヴィッセル神戸との勝ち点差は5。早ければ、次節にも優勝が決定する。

高木俊幸(左)の先制弾は右サイドの理想的な崩しから生まれた高木俊幸(左)の先制弾は右サイドの理想的な崩しから生まれた 一方で浦和は、年間勝ち点争いでも首位に浮上。すでに出場を決めているチャンピオンシップでは、年間勝ち点1位チームとして決勝で待ち受けるシナリオも現実のものとなりつつある。

 開始早々に先制点を奪い、後半立ち上がりにも追加点。相手が退場者を出して数的優位を手にすると、リスクマネジメントに気を配りながらも機を見て圧力をかけ、さらに2点を追加。G大阪にまるで隙を与えない、まさに完璧とも言えるゲーム展開だった。

 浦和がG大阪を凌駕していたのは、まず単純に局面の攻防だ。球際の争いで上回り、鋭い出足でセカンドボールをことごとくモノにする。攻守の切り替えの速さも光り、各エリアで数的不利な状況に持ち込まれることはほとんどなかった。

 前線からのハイプレスで出し手の自由を奪い、くさびに対しても激しく対応。59分にはDF槙野智章のチャージで倒されたG大阪のMFアデミウソンが報復行為で退場になったが、なかなかボールを収められず思うどおりにならない展開に、イライラを募らせた結果だろう。槙野だけでなくDF遠藤航も、好調を維持していたFW長沢駿をほぼ完璧に封じ込めた。

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