セカンドステージ無敗。「絶好調」サガン鳥栖に何が起きたのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 イタリア人監督フィッカデンティは、伝統としてきた朝日山での走り込み(山道を何度も往復する)を行なっていない。しかし練習のきつさは、「チームでも過去最高です」と豊田が明かしている。

「プレシーズンが始まって大雪があって連休があったんですが、以降は開幕までずっと休みがなくて。開幕してからも月から金までずっと練習で、2部練もあります。ウォーミングアップからしてすごく長くて入念というか、Jリーグのチームの中で一番走っているんじゃないですかね?」

 鍛えて勝つ、という鳥栖の哲学は脈々と生きている。

 ファーストステージで不振だったのは、ひとえに新監督の新戦術が浸透するのに時間を要したからだろう。4-3-1-2というシステムはイタリアでは一つの潮流だが、日本国内では馴染みが薄い。例えば中盤は守備のときに3人でスライドを繰り返し、走力と連係を同時に高める必要がある。ボランチとも、サイドハーフとも、戦術的に違う動きが求められるのだ。

「相手の攻撃をサイドに限定し、追い込んだら、『絶対にサイドチェンジさせるな』と監督には言われます。ただ、敵もそこはうまい。中盤がスライドしてはめても、なかなか簡単にはいかなくて。でも、マッシモは"俺を信じろ"と言う人。選手たちは監督を信じてやってきました」

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