連続ドローで首位陥落。横浜F・マリノスに「失速の予感」はあるか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 7月23日、日産スタジアム。横浜F・マリノスは前節からトップ下の中村俊輔がスタメンに復帰したことで、セカンドステージ開幕から3連勝した 4-4-2ではなく、4-2-3-1に戻している。気温が下がったこともあるのだろう。38歳の中村が積極的に前線に飛び出すが、致命傷を与えるには至ら ない。

 横浜の流れになるのは、前半20分頃からだった。左サイドに入っていた齋藤が右サイドに回ると、右サイドバックの小林祐三からの一発のパスで崩し、決定機をつかむ。磐田守備陣を混乱させると、25分、マルティノスのパスを受けたカイケが先制点を流し込んだ。

「前半はスライドやアプローチがゆるくて、自分たちのよさが出なかった」(磐田の名波浩監督)

 ジュビロの不安定な守りを、勢いのあるF・マリノスが打ち破った形だ。

 しかし横浜は追加点を入れられず、後半に入るとボールを前に運べなくなってしまう。1トップのカイケがブレーキで、前線にポイントも作れない。攻撃が単発になると、不穏な空気が流れ始める。

 後半62分だった。横浜の左サイドのマークが気の抜けたようにゆるくなり、完全にフリーになった磐田MF川辺駿にFKのようなミドルシュートを打たれ、ニアサイドを破られてしまう。

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