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G大阪のジレンマ。遠藤保仁の起用は
トップ下か? ボランチか? (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei  山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

「システム的にもFC東京は、前からはめてくるチーム。磐田や広島は後ろでボールを持たせてくれたけど、今日のように前から来るチームに対して、うまくいなすようなビルドアップだったり、ボール回しができないと難しい」

 今野泰幸も同様の見解だ。

「今日みたいな守備のいい相手から点を獲らないと、上には行けない。特にビルドアップのところをしっかりやっていく必要がある」

 ふたりの口から飛び出したのは、「ビルドアップ」というキーワード――。たしかにFC東京のハイプレスの前に、G大阪は後方でボールを落ち着かせられず、長いボールを蹴りこんでしまう場面が目立っていた。中盤にボールの預けどころがあれば、ショートパスをつないでプレスをかいくぐることも可能だが、この日のG大阪にはそれがなかった。つまり、"ボランチ遠藤"不在が浮き彫りとなってしまったのだ。

 前に起点を置きたい一方で、中盤にもビルドアップの軸を作りたい。まさにジレンマである。FC東京戦の敗北は、いまだ遠藤がこのチームに不可欠な存在であることを改めて浮かび上がらせた。

 一方でその遠藤も、すでに36歳。将来を見据えれば、いつまでもこのベテランに頼ってばかりはいられない。「脱・遠藤」に向けて長谷川監督が期待を寄せるのは、この日ボランチを務めた倉田秋だ。アグレッシブな仕掛けと鋭い飛び出しを備える本来アタッカーの倉田だが、前節の広島戦でもボランチを担い、攻守に奮闘。チームの2点目となるゴールも決めている。

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