守ったFC東京、攻めた浦和。それでもACLで全滅した日本勢 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 さらに言えば、こうしたゲームを勝ちきるには、一発でゴールを仕留められる有力ストライカーも足りなかった。FC東京は昨季途中からネイサン・バーンズ、ムリキなどの助っ人アタッカーを獲得しているが、戦力になっていない。MFのハ・デソンは凡庸なファイターに過ぎず、“助っ人3人分で得点力のあるFWを確保できていたら”とスカウティングの問題さえ問われる。

 一人ひとりの選手は健闘したが、FC東京の敗北は避けられなかった。

 その翌日には、もう一つの決勝トーナメントが行なわれている。浦和レッズがFCソウルと戦い、延長戦の熱闘の末にPK戦で敗れている(第1戦1-0、第2戦0-1、アウエーゴールが適用されない延長戦は2-2、PK7-6)。

 浦和は3バックが積極的にラインを高く保ち、常に攻め手を失わなかった。一方で遠藤航、槙野智章は前にボールをつけようと致命的ミスも犯しており、ハイボールや裏へのパスで揺さぶられ、失点も喫した。しかし延長後半には李忠成の2得点で、一時は逆転に成功。試合終了間際、中央をドリブル突破され、ミドルシュートを叩き込まれた場面は悔やまれるが、攻撃姿勢を失わずにアウエーながら互角に渡り合った。

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