フロンターレを強くするのは、「中村憲剛・35歳」という存在である (2ページ目)
つまりは新旧の選手が混在する中で、若手がベテランからさまざまなことを学んで一人前になっていく。そんなサイクルを継続的に確立していくのが、チーム作りのうえでは理想となる。
現在、川崎では23歳の大島をはじめ、才能豊かな20代前半以下の若手が数多くプレーしている。だが、彼らがシーズンを通してコンスタントに力を発揮できているかというと、心許ない。あくまでも大黒柱はベテラン選手たちであり、経験豊富な彼らがチームを支えている。残念ながら、と言うべきか、それが実情だ。
だからこそ、35歳のキャプテン、MF中村憲剛が試合中に大きなジェスチャーをまじえ、激しい口調で何事かチームメイトに声をかけるシーンは珍しくない。
プレーはもちろん、フロンターレの精神的な支柱でもある中村憲剛 仙台戦後も、中村は指揮官と歩調を合わせるように、厳しいコメントを並べた。
「自分たちがやりやすいように、攻撃も守備もやればいい。相手が予想もしないようなところに(パスを)出すから面白いことが起こる。アイツが自分の意志で怖い選手にならないと。オレや(大久保)嘉人が呼んだからパスを出すんじゃなくて、オレらを使うくらいにならないといけない」
キャプテンが「アイツ」と呼んだのは大島のことだ。
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