シリア戦での原口元気の起用法が示すハリルホジッチ監督の狙い

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Fujita Masato

 日本代表はW杯アジア2次予選最終ラウンドのアフガニスタン戦、シリア戦ともに5―0で勝利し、9月1日から始まるW杯アジア最終予選へ駒を進めた。

 これまで何度となく選手たちに「デュエル」や「野心」というキーワードを発信してきたハリルホジッチ監督は、この2試合でもこのふたつのキーワードを全面に出す選手を重用した。

不慣れなボランチで出場した原口元気不慣れなボランチで出場した原口元気 顕著だったのが、シリア戦の後半10分過ぎに負傷した山口蛍に代わって原口元気を起用したことだ。リードはわずか1点という状況で、ボランチ経験のない原口をそのまま同ポジションに投入した。ここに込められた意図を読み解くことで、ハリルホジッチ監督が目指す日本代表像が浮かび上がる。

 原口の投入が点差の開いた展開だったならば、意味合いは違うものになる。リスクを負っても大勢に影響しないため、守備の枚数を1枚減らして、攻撃に人数を増やすという狙いに過ぎない。

 たとえば、昨年9月のアウェーでのW杯アジア2次予選・アフガニスタン戦で、左FWとして先発させた原口を試合途中から右SBにしたケースなどは、これに近い。

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