大久保嘉人、佐藤寿人に思う。ストライカーに大切な「コミュ力」

 今シーズンもJ1の得点王は大久保嘉人(川崎)が獲得して、これで3年連続となった。ここ数年、J1は日本人選手が得点王のタイトルを取り続けている。

3年連続で得点王となった大久保嘉人 photo by Yamazoe Toshio3年連続で得点王となった大久保嘉人 photo by Yamazoe Toshio 私がストライカーの評価をする時に重視しているのは、「何試合で点を取ったか」ということだ。

 たとえば、開幕して5試合ゴールから遠ざかっていたFWが、次の1試合で3点取り、同じようにまとめて3点決める試合があと5回あれば得点王になれる可能性もある。しかし、点を決めた試合が年間30数試合のうち「6試合しかありませんでした」では、私はそのFWをあまり評価できない。能力は高いかもしれないが、チームに貢献しているとは言いにくいからだ。

 私にとって理想的なFWとは、毎試合、点を取り続けるFWだ。

 決定率は悪くても、毎試合ほぼ点を取り続け、チャンピオンシップやクラブワールドカップなどのビッグマッチでもゴールを決める。それが、チームに対しての最大の貢献であり、そこをもっと評価しなくてはいけない。率ではなく、どれだけの試合数でチームに貢献できているかが重要であることを忘れてはいけない。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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