サンフレッチェ広島、バルサへの挑戦権かけ因縁の南米王者に挑む (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Masabu

「最初はアフリカ人選手特有の動きに戸惑ってボールを失うこともあったが、相手の土俵で戦うのではなく、テンポよくボールを動かそうと思った。自分たちのよさを出して、2点目、3点目も取れた。尻上がりに(試合内容が)よくなっていった」

 MF森﨑和幸がそう振り返ったように、試合終盤になると、マゼンベは広島のパスワークにまったくついていけなくなっていた。

 広島はこの勝利で準決勝進出が決定。前回出場した2012年大会では準々決勝でアルアハリ(エジプト)に敗れ、5位決定戦に回ったが、これで3年前の成績を上回った。

「前回大会を経験している選手は悔しさがあり、最低でも準決勝(進出)という使命みたいなものを感じていた。これで前回よりひとつ上に行けた。次はさらにレベルが高いチームとの対戦になる。どこまで自分たちが通用するか、やってみたい」

 森﨑和がそう語る準決勝の対戦相手は、南米王者にしてアルゼンチン屈指の名門クラブ、リバープレートである。

「うちのサッカーをよくわかっていなかった」(森﨑和)というマゼンベと違い、おそらくリバープレートは入念に広島対策を施してくるはずだ。マゼンベ戦でも、スタンドにはビデオカメラを手にしたリバープレートのスタッフの姿があった。

 また、勝利のためには、いい意味で何でもやってくるのがアルゼンチンの強さでもある。広島をリズムに乗せないためには、意図的にファールをしてでもパスワークを寸断してくるだろう。森﨑和は警戒の色を強め、こう話す。

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