岡崎慎司が日本代表でも持ち味を発揮できる戦い方とは? (2ページ目)

  • photo by Fujita Masato

 今シーズンからプレミアリーグのレスター・シティに移籍した岡崎は、欧州から日本、そしてイランへの長距離移動の影響で、コンディションが十分ではなかった。だが、それを差し引いても、"岡崎らしさ"が見られず、窮屈そうにプレーしている印象を受けた。

 その理由はハリルホジッチ監督が岡崎に求めるストライカーとしての仕事が、クラブで評価されている岡崎の特長、得意とするプレーと異なっていることもあるように思う。

 岡崎がFWとして評価されている最大のポイントは、その献身性にある。前線からのハードワークでチームの「守備のスイッチ」を入れ、味方がボールを奪えば空いているスペースへ全力で走り込む。岡崎が献身的に動くことで前線にスペースが生まれ、味方の中盤の選手がゴール前に飛び込んで得点を決めるチャンスもできる。

 そして、昨年まで所属したマインツも今季のレスターも、リーグ内でのヒエラルキーは中堅以下で、相手に押し込まれる試合展開が多いため、岡崎は自らの持ち味を発揮しやすい状況にあるといえる。

 それに対して、ハリルホジッチ監督が指揮する日本代表での岡崎は、ゴール前から動くことがほとんどない。W杯2次予選では格下の対戦相手が守備を固めて自陣にベタ引きしているので、岡崎が守備をする必要がなかったということもあるが、同時に、岡崎がサイドに流れてプレーする場面もほとんど見られなかった。あるいは、監督から「ペナルティエリアの幅で動け」という指示が出ていたのかもしれない。

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