2015.09.19

【育将・今西和男】李漢宰「プロとして、あるべき姿を見せていきたい」

  • 木村元彦●文 text by Kimura Yukihiko
  • 織田桂子●写真 photo by Oda Keiko

『育将・今西和男』 連載第8回
門徒たちが語る師の教え FC町田ゼルビア 李 漢宰(2)

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J3FC町田ゼルビアに所属している李漢宰(リ・ハンジェ)。現在、チームは山口に次いで2位。J2昇格を目指す

 2001年、ハンジェの本契約は母校の広島朝鮮高級学校で行なわれた。今西は「お前の練習態度やサテライトリーグ(※)での活躍を見た。今は知られていなくても、将来お前は絶対にものになるから、契約内容を改めて同期の新人と比べても遜色の無い契約内容にした」と仮契約のときよりも高い条件でサインをさせてくれた。これには感激した。「正直、僕は高校生で、お金の感覚というのがまったく無かったんですが、その言葉が本当にありがたくて、このチームのために力になりたいと心から思えたんです」
※実戦経験の少ない若手選手のために、2009年まで行なわれていた育成リーグ

 サンフレッチェ広島の同期入団選手は闘莉王、林卓人、西嶋弘之、寺内良太、河野淳吾、梅田直哉と他に6人いたが、今西の慧眼はまたも発揮された。全国的には最も無名であったハンジェは、サンフレッチェの在籍がその中で最も長く、9年を過ごした。節目となる10年目はクロアチア代表のミキッチの加入もあり「戦力外」ということになったが、ハードワークを厭わず、プレースキックも蹴れるユーティリティプレイヤーに対する他チームからの評価は高く、2010年にコンサドーレ札幌からのオファーを受けて移籍する。石崎監督からの期待もあり、新天地でのモチベーションは高かった。「自分にとっても選手として一番いい時期で、リ札幌でキャリアハイのパフォーマンスが出来るような自信がありました」

 しかし、希望に満ちたはずの2010年が意外なことをきっかけに暗転してしまう。