2014.12.27

磐田・名波浩監督が激白「リアクションサッカーはしない」

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

――もっとこれをやっておけば良かったな、ということはありませんか。

名波 それは、ほとんどない。プレーオフも想定していたし、やるべきことはすべてやってきた。1トップや2トップといったシステムにしても、パワープレイにしても、ひとり少ない状況、ひとり多い状況、前線でのキープの仕方、残り時間の使い方……試合でやりそうなことは、すべて練習や紅白戦でもやってきた。一度トレーニングでやって“帰る場所”みたいなのがあれば、おおよそ何が起きてもドタバタしないからね。だから、やり残して後悔するようなことは、何もないよ。

――では、この9試合、プレーオフを含めて10試合、監督としての自分自身を採点すると何点でしょうか。

名波 採点とかしないんだけど、どうだろう……。まあ、半分くらいかな。J1に昇格できなくて、成績的には10点、20点という感じなんだろうけど、チームの状況を少しは好転させた感があるから、50点くらいかな。

クビを宣告されるまで
アクションサッカーを貫く

――ところで、名波さんが目指すサッカーとは、どういったものになるのでしょうか。

名波 それはもう、アクションサッカー。リアクションというのは、自分のサッカー哲学の中には一切ないから。人も、ボールも動く、自分たちからアクションを起こすサッカーをやっていきたい。守備にしても、自分たちから相手に罠(わな)を仕掛けてボールを奪って、そのままゴールまで行きたい。相手に合わせるようなサッカーは好きじゃないし、やりたくない。

――そうしたアクションサッカーは、すぐにできるものでしょうか。

名波 もちろん“徐々に”だけど、「名波さんだったら、そうですよね」と、選手たちがそういうサッカーを受け入れるスタンスでいてくれたんで、導入はしやすかった。いい選手も多いし、スタッフもわかってくれているから、自分が言っていることはおおよそ理解して、実践しようとしてくれた。

――しかし、アクションサッカーでJ2を勝ち抜くのは、かなり難しいことではないでしょうか。

名波 全体で言えば、8割くらいかな、J2はリアクションサッカーが多いからね。でも、それをはね返していきたい。

――最初はアクションサッカーを志しても、最終的にJ1昇格を最優先して、リアクションというか、勝負に徹したスタイルに変えてしまう監督が過去にもたくさんいました。

名波 その哲学は、自分の中にはないよね。あくまでも、アクションサッカーを追求して、上(J1)で結果を出すつもりでいる。

――結果が出なくても?

名波 もちろん、もちろん。クビって言われるまで、やり抜いていく。