レッズはなぜ首位陥落することになったのか
試合終了のホイッスルが鳴り響くと、何人かの赤いユニフォームの選手たちがバタバタとその場に倒れ込んだ。それは90分間戦った疲労によるものではないだろう。手にしかけていた勝利が、最後のCKをヘディングで決められてするりとすり抜けてしまい、あまりの虚脱感に太刀打ちできなかったのだ。
「なぜほんの数秒間、守りきれなかったのか」
阿部勇樹のPKで先制した浦和レッズだったが... ミックスゾーンでは浦和レッズの選手たちが沈鬱な表情を浮かべていた。拮抗した展開の中、李忠成がPKを得て、阿部勇樹が落ち着いて先制点を決めた(後半24分)。そのとき、相手は一人退場になった。数的優位な状況、あとは試合をクローズするだけだった。
残り1試合、浦和はどうして首位から陥落することになったのか。
浦和レッズは後半戦、首位に立ってからその座を守ってきた。10月5日の徳島ヴォルティス戦に2-1で勝利後は、数節を残しての優勝もあり得る状況だった。
「優勝はレッズで決まり」という声もちらほら聞こえるようになっていた。
ところが、そこから彼らは足踏みすることになった。鳥栖戦までの成績は1勝2敗2分け、勝ち点を落とし続けていた。
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