アギーレJに期待する「日本らしさとトレンドの融合」 (2ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

 しかし、日本代表は必ずしもトレンドを追いかける必要はないと私は思っている。もちろん、世界のサッカーの最先端がどんなものであるかは知らなくてはいけない。しかし、もっと重要なことは、それを知ったうえで、日本代表が世界の舞台で勝てるスタイルを導き出すことだ。

 ヨーロッパや南米のスタイルを取り入れることがすべてではない。世界の強豪と互角以上に戦えるようになるために、同じスタイルや戦術を身につけることだけを考えていたら、いつまでたっても追いつけない。日本独自の路線も模索していくべきだろう。

 たとえば、浦和のペトロビッチ監督のスタイルは、「縦に速いサッカーは日本のスタイルとして適性なのか?」「なぜ自陣でボールを回してはいけないのか?」「ゆっくりボールを回すスタイルでもいいのではないか?」という考えをベースにチームを構築している。もちろん、ペトロビッチ監督も現在のトレンドを知っている。そのうえで、トレンドとは違ったアプローチでチームをつくりあげている。そして、Jリーグで結果を出しつつある。これもまた、ひとつのスタイルといえる。

 原点にあるのは、「同じことをやっていたら勝てない」ということ。私は、日本代表も、そこがスタート地点だと考えている。日本の世界での立ち位置がどこにあるかを考え、強化策を練ってみてもいいと思う。

 日本代表の特徴はどこにあって、勝つために何をすべきか。日本人の特性、いいところを、これからアギーレ監督に引き出してもらいたい。外国人でなければわからない日本の良さもあると思うので、どのようなストロングポイントがチームに備わっていくのか楽しみだ。

 日本の最大の長所は組織力だと私は思っている。それを生かして強豪国に勝つために何をすべきか。そのためには、日本人選手がどんな特徴を持っていて、どんなキャラクターで、どのような思考をするのかを、アギーレ監督が理解することも必要になってくるだろう。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る