2014.10.24

「オリジナル10」降格の危機。清水に何が起きているのか

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 Jリーグの「オリジナル10(※)」にして、サッカー王国・静岡の清水エスパルスが、今季は大不振にあえぎ、残留争いに巻き込まれている。

※オリジナル10=1992年のJリーグ発足時に加盟した10クラブを指す通称。10クラブとは、鹿島アントラーズ、ジェフユナイテッド市原、浦和レッドダイヤモンズ、ヴェルディ川崎、横浜マリノス、横浜フリューゲルス、清水エスパルス、名古屋グランパスエイト、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島。(クラブ名は加盟当時の呼称)

「J1死守絶対残留!!」。ファンの願いは通じるのか これまでJ1ステージ優勝(1999年)、天皇杯優勝(2001年)、ヤマザキナビスコカップ優勝(1996年)をそれぞれ1回経験しているエスパルスは、「オリジナル10」の中で、まだ一度もJ2を経験していない4チームのうちのひとつだ(残り3チームは鹿島、横浜FM、名古屋)。しかも、昨季は同じ静岡のジュビロ磐田がJ2に降格したとあって、仮にエスパルスが降格の憂(う)き目に遭えば、地元静岡ばかりか、日本中のサッカーファンにとっても無関心ではいられない事態に陥ってしまいそうだ。

 日本代表に多くの選手を輩出してきた、静岡サッカーの失墜――。それはある意味、日本サッカーの危機とも言われかねない大事件なのである。

 10月22日に行なわれた第29節のアルビレックス新潟戦を2-1で勝利したことで、エスパルスの順位は15位となった。これでひとまず降格圏(16位~18位)を脱出したわけだが、16位・ヴァンフォーレ甲府との勝ち点差はわずか1ポイント、17位・セレッソ大阪との差も2ポイントしかない。予断を許さない状況に変わりはない。

 では、これまで毎年のように安定した成績を残してきたエスパルスに、いったい何が起こっているのか? その原因を探るためには、ややマクロ的な見方と、ミクロ的な見方という、両方の視点が必要になると思われる。

 まず、マクロ的な視点で言えば、クラブの財政事情という問題が浮かび上がってくる。ご存知のように、サッカー王国の名門とはいえ、エスパルスは決してビッグクラブではない。年間予算もリーグ中位レベルで、バックに大企業がいるわけでもない。

 むしろ、そもそもクラブの成り立ちからして、「オリジナル10」の中では異質な地元密着型クラブがここまでの成績を残せてこられたのは、サッカー王国の『お膝元クラブ』としての歴史とプライドが為せる業(わざ)だったと言えなくもない。それは、選手や監督をはじめ、クラブに携わる者、それを支える地元ファンに共通して言えることだ。