U-19、4大会連続敗退。日本はアジアで見下されていた (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 もちろん、それも大事なことではあるが、どうボールを動かせば相手の脅威となるのか、チーム(組織)としてもっとやるべきこと、できることはあると思う。

 今大会の結果を見ても、イラク、韓国、オーストラリアといったお馴染みの強豪国がグループリーグで敗退する一方で、(開催国のアドバンテージがあったにしても)ミャンマーがU-20W杯出場を果たし、8年後の自国でのW杯に向けて積極的な強化を図るカタールが躍進を遂げるなど、アジアの勢力図に変化が見られた。各国間の実力差は小さくなり、日本にしてももはや絶対的な強者ではなくなっている(※)。

※日本は今大会、グループリーグ初戦で中国に1-2と敗戦。2戦目はベトナム相手に土壇場で勝ち越して3-1と勝利。3戦目は宿敵・韓国に2-1で勝って決勝トーナメントに進出したが、準々決勝で北朝鮮に敗れた。

 この結果により、日本は来年開かれるU-17(※)、U-20W杯の両方に出場できなくなった。これは1991年以来、24年ぶりのこと。日本が本格的に育成年代の強化に力を入れるようになってからは、初めて味わう屈辱的な事態だ。

※2015年チリ大会。日本は9月にタイで開催されたU-16アジア選手権で準々決勝敗退。5大会連続の世界大会出場はならなかった。

 日本が弱くなったとか、日本選手が下手になったとは思わない。だが、それ以上に他国は力をつけている。その結果、日本が他国にとって怖くなく、戦いやすい相手になっていることは確かだ。

 日本はナメられている。つまりは、そういう状況になりつつあるのだと思う。

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