2014.10.03

ジュビロを激変させた指揮官・名波浩の「メッセージ」

  • 望月文夫●文 text by Mochizuki Fumio
  • photo by Nikkan sports

 昇格争いの渦中にいるJ2ジュビロ磐田は9月25日、成績不振を理由に今季就任したばかりのシャムスカ監督を解任。新指揮官にクラブOBで元日本代表の名波浩氏を招聘した。

ジュビロ磐田の指揮官となって、早速チームを勝利に導いた名波浩監督。 監督経験のない名波氏は「どこまでチームを立て直せるかは未知数」としたが、就任から中2日で臨んだ第34節愛媛FC戦を2-0と快勝。初陣を白星で飾った。

 順位は3位と変わらなかったものの、この勝利でJ1自動昇格圏内の2位松本山雅FCとの勝ち点差は5に縮小。一時は最大10もの勝ち点差があって、ジュビロはJ1昇格プレーオフ(3位~6位のチームが参戦)に回ることが濃厚と見られていたが、自動昇格の可能性がにわかに高まってきた。

 王者復活を予感させる戦いぶりを見せ、チームやファンはもちろんのこと、クラブ関係者、地元メディアまで、久しぶりに湧き上がったジュビロ。それをもたらしたのは、まさしく”レジェンドOB”の新指揮官、名波監督だった。

 最も変わったのは、何より選手たちだ。

 序盤戦は順調に白星を重ねていたチームは、後半戦に入ってから黒星が先行して失速。周囲や内部から、選手たちの「精神的な弱さ」を指摘されるようになった。とりわけ、第22節で20位の東京ヴェルディに1-2と敗れ、続く23節で18位(当時)の横浜FCに0-4と惨敗すると、完全に自信を喪失。下位チーム相手にも簡単に星を落とすようになって、ピッチ上の選手たちからは躍動感や粘りというものが消えていった。

 それが、名波監督就任で状況は一変した。

 まず、名波監督は「見られている緊張感の中でやりたい」と、それまで週に何度かあった完全非公開練習をすべて公開し、選手たちに刺激を与えた。そのうえで、「オレは負けるのが大嫌い。その気持ちを(チームに)浸透させ、勝ち点3の重みを伝えたい」と言う名波監督は、その思いを繰り返し口にして、選手たちの意識改革を図った。結果、監督就任わずか2日程度で「チームに自信が戻ってきたようだ」と、クラブ関係者が感嘆の声を上げるほど、選手たちの表情が変わり、練習も活気にあふれていた。