レッズが優勝を目指すなら、解くべき「命題」がある (2ページ目)
攻撃では、最終ラインやGKまでボールを戻して組み立て直すことも多かったが、それがレッズのスタイルでもある。プレッシャーに来る相手をうまくいなしながら、効果的にボールを動かして、タイミングよくタテパスを入れてチャンスを演出。序盤に関しては、攻守ともに連動していて、隙のない戦いを見せていた。
しかし、前半の30分を過ぎたあたりから、フロンターレがセカンドボールを拾い出すと、レッズDFの背後をグラウンダーのスルーパスで狙われるシーンが目立つようになった。オフサイドで何とか難を逃れていたが、危険なムードは徐々に漂い始めていた。ゆえに、ペトロヴィッチ監督はハーフタイムに「リスクマネジメントをしっかりしろ」という指示を選手に出した。が、ボールを奪われたあとのケアが甘かったのか、前半で積極的にプレッシャーをかけて体力が消耗してしまったのか、後半は両サイドのスペースをことごとく突かれて、再三ピンチを招いた。
そして後半33分、フロンターレの左サイドアタッカーを務めるレナトにレッズの右サイドを突破され、最終的にはMF中村憲剛、FW大久保嘉人とつながれて、逆転ゴールを許してしまった。
相手ボールに対して、チェックに行く、行かない、というジャッジに関しては、レッズはJ1の18クラブ中、トップ3に入るほど優れているが、このときのレナトへの対応は誤った判断だったと思う。
このシーン、レナトが最初にボールを受けた場所はフロンターレ陣内だった。レッズから見れば、かなり高い位置だっただけに、そこで3バックの右DF森脇良太がボールを奪いに行く必要はなかった。ディレイ(うかつにボールを奪いに行かないで、下がりながら対応して相手の攻撃を遅らせること)というか、相手のスピードを落とさせるような対処をすべきだった。
こうした場面を含めて、レッズは両サイドのスペースを突かれて、失点を喫することが多い。そういう意味でも、3バックの両サイド、右の森脇と左の槙野智章のポジションを取る位置が、優勝するためのひとつのカギになるのではないかと考えている。現状、ふたりのポジション取りは高過ぎると、個人的には見ている。結局、フロンターレ戦でも彼らの裏を狙われてやられているわけだから、もう少し自重して、全体のバランスを取ったほうがいいと思う。
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